熊谷隆志× 岡沢高宏× サーフェン智 | Archives(2006)


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熊谷隆志(GDC)× 岡沢高宏(CLS)× サーフェン智(nonnative)

STYLE MEETING


熊谷隆志・・・ブランド「GDC・VENTURA」のディレクター。スタイリスト、写真家の顔をあわせ持つ。 

岡沢高宏・・・ブランド「CLS」のディレクター。Cycle co.,の代表として社会活動にも積極的に取り組んでいる。 

サーフェン智・・・ブランド「nonnative」を率いるTNP代表。映画監督としても作品を残す。 


[tinyworld] まずは3人の出会いからお願いします。 

熊谷:出会いネ 

智:10年くらい前かな? 

岡沢:智の方が早いでしょ?熊谷さんと 

智:メンノンだっけ? 

熊谷:SMARTかな? 

智:10年だ。 

岡沢:10年! 

熊谷:すごいねえ。 

智:俺はじめて岡沢君に会ったのカラオケかな。 

岡沢:俺は恵比寿のMILKで熊谷さんに紹介されて、そのあとSMARTに呼んでくれて、その時一時間の遅刻をして…覚えてないですか? 

熊谷:覚えてない。 

岡沢:覚えてないなら良かった(笑) 

智:岡沢君らしくない(笑)そんな印象ないなあ。

 岡沢:朝すごく弱かったからね。 

熊谷:覚えてないな。自分の過去も覚えてないから(笑)中学生とか高校生のときとかも覚えてないもんな。忘れちゃってる。 

智:ほんと?中学生の写真とか見て見たいよな。写真みたらどう?そんな変わんない?? 

熊谷:だいぶ変わるよ。

 智:今みたいな体格じゃないよね。 

熊谷:うんジャニーズ系(笑) 

智:髪もさらさら? 

熊谷:さらさら(笑) 

岡沢:最初に会ったときはドレッドだったかな。 

熊谷:智とはいつだっけ? 智:思い出した!メンノンで最後の方のページで、スタイリング連載ページやってたでしょ?そのときかな。 

熊谷:じゃ田辺くんとか大沢たかおとか? 

智:いやかぶってない 

熊谷:一真くん? 

智:そう、あと宗久、タカオとか。 

熊谷:あの時代ね 

智:あの時代にぎりぎりかぶってて、池内とかユアンとかリヒトがでてきて、ガクとかも出てきたよね。あと誰だろなあ。伊勢谷とか。 

岡沢:いろいろいたね。 

熊谷:まあ長いと。 

智:長いと(笑) 

熊谷:みんなおっさんになったと 

智:なったと(笑)でもすごい親交が深くなったのがドラクマ? 

熊谷:あー。そうだね。地方でね 智:夜な夜な男祭りを 

熊谷:そう。

 智:まあそれもある意味MOTORWNがらみ 

熊谷:千寿※がらみ。千寿いた方がよかったんじゃない? ※98年東京にMOTORWNをOPEN。LOUD SPEXディレクター

 [tinyworld] 今日偶然千寿さんからお電話いただいたとこなんです。 

熊谷:うそ。千寿はスワイプ復活? 

智:復活! 

岡沢:復活したね。で、最近千寿くんと頻繁に焼肉通ってるんだ(笑) 

智:どこの 岡沢:渋谷の焼き肉ゆうじ。すごくうまいよ。必ず行く日があってそのタイミングで一緒について行っている。千寿くんと行くと別メ ニューが出る(笑) 

智:そこは高めなの 

岡沢:全然高めじゃないし焼き肉なのに意外と重くない。 

智:(智、熊谷の時計を見て)この時計は? 

熊谷:カルバンクライン。2万円(笑)サーファーだから、高い時計いらない(笑) 

智:俺も最近いらないと思ってたけどね、ゼニスの四角い奴がかっこいいんだよね。 

熊谷:俺はもうその辺越えた。パテックとかその辺も越えた(笑) 

岡沢:実はパテック狙ってたんだけどね。かっこいいのがあって。 

熊谷:すごいのあるよね 

智:パテックいいけど高すぎるんだよね、200、300とかしちゃうもん。 

熊谷:(智の時計を見て)智、流行りモンしてるじゃない。※右写真 智:もう流行ってないよ。娘が生まれた記念に。 熊谷:そのとき流行ってなかったよね。そのあと、流行ったんだよね。レオンとかで。俺も持ってた(笑)

tinyworld] モノについて語ってもらえますか? 

熊谷・・・ モノは別にほしくないんだよね(笑) 

智・・・ この人、モノ欲なくなっちゃたんだよね(笑) 

熊谷・・・ 奥さんが欲しいね(笑)。智は車そろそろ飽きた? 

智:飽きたねー。 

熊谷:自転車だっけ?メッセンジャーみたいな。 

智:ピスト。ブレーキが無いやつね。乗ってる。 

熊谷:俺ちょっと興味ある 

智:あれ面白いよ。すごく面白い。競輪選手から買うんだよね。 安いの。1万5千円くらいかな、サドルから部品全部いれて2万8千円位だった。 

熊谷:えっ俺も買いたい!言っといてくれない? 

智:うん。最初は本当こわいよ。 

岡沢:トラックバイクでしょ?あれってどうやって止まるの?反対にすると止まるの? 

智:反対にしただけじゃスピードがあって止まらないから、少しケツを浮かさないといけない。 

熊谷:気になってんだよねそのシーン。メッセンジャーとか。熱いよね。俺スケーターは行かなかったけど、あのシーンは熱いよね、俺バイブルが「マイプライベートアイダホ」と「クイックシルバー」だから。クイックシルバーの、ケビンベーコンに憧れてたから。アーミーパンツを下でぐるっと止めなきゃなんないんだよね。 

岡沢:僕は全くそのシーンはわかんない(笑) 

智:岡沢くんはピスト乗ったらはまるよ。超男。めちゃストイック。ブレーキ無し!だって英語でsuicideBike(自殺バイク)っていうんだよ。ブレーキが無いから止まれない。 

熊谷:やっぱ死ぬの(笑)? 

智:慣れてないと止まれないから急に車がきたら終わり。でもその先を読みながら自分の実力とともに前に進むっていうのが楽しい。チャリンコだったら10m先しか気にならないけど、50m先まで気になるよ。 

岡沢:坂道超やばいでしょ 

智:やばい(笑) 

熊谷:岡沢のモノは? 

岡沢:まったく無いです 

熊谷:・空気清浄機?(笑) 

岡沢:でも実用的なものが欲しいかな。家具とかじゃなくて 

熊谷:俺は除湿機だね。年々進歩してるからね。すごいよ最近のは。ちょっと隅っこに置いてるだけでカラッカラ。あとね、洗濯機がすごい。昔は外人ハウスに住んでて、据付の外国製のドラム式が良かったけど、今は日本の洗濯機が水使わないし、安いし、汚れ落ちし完璧。岡沢のは家に付いてたやつ? 

岡沢:付いてたけどあまり使わないし良くない。 

熊谷:付いてない方がいいね。変える価値あるよ。 

智:うちも冷蔵庫は変えた。外人ハウスのは食器洗い機とかがだめだね。食器洗ったあとに、食器並べるためだけに使ってるから。れにしても家電でも車でも一周して日本になってきてるよね。 

熊谷:そうだね、車も日本車がいいよね。やっぱり。ガソリンも高くなってきてるしね。 

智:この業界も両極端になってきてるのかな。物欲に走ってそれを極める見せ方と、ライフを楽しむ、それを見せるまでもない。っていうスタイルと。 

熊谷:終わっちゃったじゃん対談(笑)結局それじゃん(笑) 

岡沢:要はそうだよね。人それぞれだから、どっちに合わせるっていう必要ないからね。 

熊谷:今まではロサンゼルスの空港についたら、マックスフィールドに行ってたけど、今はサーフショップ(笑)そこが変わった。強いて欲しいものといえば「エバー」っていうサーフブランド。「クイックシルバー」もいいメーカーだね。サーフスタイリスト的に言うと、俺が「クイックシルバー」推して、宮島君が「ボルコム」推して、みたいなかんじかな。岡沢のケータイとかのブームは終わった? 

岡沢:終わってはいないけど、やっぱり技術、機能の進化にはこれからも興味あるし、、今はウィルコムとかがやってる、携帯の中のシステムをモジュールで提供してるようなところがおもしろいと思う。様々な会社が販売できるようになるから、おもしろいものが出てくると思うね。 

熊谷:今は携帯じゃなくて、PSPとかにスケジュールとか入れてたりしてるるんだよね。あとipod 

智:ipodね、俺はもう飽きちゃったな。PSPも 

熊谷:やったことねえ。 

岡沢:DSは結構おもしろい。あと携帯はサイト見ないけど、メールはする。仕事で2言3言を伝えるのは便利かな。あとワンセグもいい 

智:俺は携帯のメールはしない。PCだけかな。パソコン中毒なんだよね。プロのネットサーファー並み(笑)調べ物とかすごいする。WIKIPEDIA。完全にWIKI。 

熊谷:ブログはやってるの? 

智:僕はやってない。 

熊谷:岡沢は? 

岡沢:やってますよ。 

熊谷:岡沢はデジ人間だから 

岡沢:熊谷サンから見たらでしょ(笑)デジ人間って、、凄く古い言い方だな、、けど最近デジタルにかかわる時間は減ってきた。 

智:俺も最近時間の使い方が変わってきた。ここのところ買うのはレコードばっかり。 

岡沢:俺も事務所ではレコードかけてるのが多いかな。 

智:気に入った一曲が終わって、わざわざプレーヤーの前まで行ってレコード変えてっていう作業がおもしろいんだよね。   

[tinyworld] インスパイアされたものを教えてください。 

岡沢・・・ 俺は、「24365東京」っていう北山創造研究所っていうところが出してるアートブック。東京へのプレゼンテーションをやっ てるんですけど、それがよかった。 

智・・・ 2436? 

岡沢・・・ 24時間365日 

智:なるほど 

岡沢:1ページ1ページの内容が違ってて、わかりやすい東京のプレゼンテーションになってる。「知る」「見る」というような流れになっていて、最初は東京を知るっていうところから入る。現実を知ってどうあるべきか。どう企画を練って行くか。いきなり現状を知らないまま変えてしまおうとしている人が多い中で、まず現状を知らないといけない。どれだけ今の東京、日本はどういう現状なのかを知らないといけないと。あとおもしろいところでは日本の国技はブランドを買うことみたいなことをかいてあったり(笑) 

智:エルメスもヴィトンも日本という消費国がなかったら成り立たない(笑) 

岡沢:活字のレイアウトもおもしろいし、わかりやすくていいよ。 

智:僕は70年代初頭の黒人ジャズミュージック。きっかけ は、ファラオサンダース 

熊谷: どういうの? 智:スペースジャズ。超トリッピー、一曲9分とか、 13分とか。自由を求めてるだけじゃなくて・・ 

岡沢:基本的に黒人ミュージックはJAZZでもなんでもソウルを凄く感じるからね。 

智:そう!歌詞が無くてもね 

岡沢:昔から智はネタもの好きだもんね 

智:そこらへんがヒップホップのネタとかになってるからね、ロニーリストンスミスとか。 

岡沢:この前MUROくんがくれたネタモノでストリートノイズを聞いた。「コモン」のサンプリングで使われていて。よかったな。 

智:最近そのへんのヒップホップがおもしろくなってきてる。コモンとかカニエとかオールドスクールから育ってきて、ルーツからサンプリングするっていうのを復活させてるからね。昔のいいものをちゃんと吸収してもう一回発信しようとしているその試みが好き。発信する人間としては、昔のいいものをちゃんと拾ってきて、そういうものを伝えるフィルターになる役割があると思う。突然何もバックグラウンドもなくって、クリエイターだ、デザイナーだってのはうさんくさいからね。 

熊谷:最近俺はサーフィン以外はないね(笑)今は新島がやばい。カリフォルニアなんかより新島がいい。景色もやばいし光もやばい。沖縄に行かなくてもいいよ、すごい大自然。 

熊谷: 小笠原もやばいらしいよ。外国行く必要なくなる。

 [tinyworld] 10年後はどうなっているでしょう? 

熊谷:小学校に送り迎え。(笑) 

智:そろそろ間に合わなくなっちゃうよ。 

熊谷:その後サーフィン(笑) 

智:岡沢君は? 

岡沢:新宿にいるんじゃない?まだ先のこと考えたくないけどね (笑)目の前のことをやってるほうが楽しい。でも地元の為に必ず何 かやっていると思うけど。 

熊谷:智は10年後は海外じゃない? 

智:今の生活リズムが無くなりそうでちょっとさみしいんだよね。 

熊谷:でも仕事してなんぼだからね。現場で映像とかに携わってたら楽しいだろうけど、コンピュータだけで日本と通信してるだけじゃストレス溜まるよね。 

智:そうだよね。 

熊谷:智は映像の先輩。僕もついに今度映像デビューを。 

智: おっ聞いてないよ。 

熊谷:1個やるんだよ。ブランドのイメージ映像を。 

智:海ばっかり映してんじゃないの(笑)? 

熊谷:いいやスペイン。フラメンコ。 

岡沢:想像つかないな。俺は熊谷さんの写真が好きかな。 

熊谷:スタイリングおもしろいけど、写真はやばいよ。 

岡沢:熊谷さんの女性の写真と、スタイリングが特に好きです。かっこいい。 

熊谷:まあ両立して。40までには今3つやってるけど2つくらいになってるんじゃない?わかんないけど。

 [tinyworld] 大阪・神戸の印象はどうですか? 

岡沢:6~7年前のドラクマの印象かな。 

熊谷: 大阪は飲み屋が好きかな。煮込みとか。あと良く似たブランド名、グランドキャニオンとGDCは全く関係ないって書いといてください(笑)うちが当たったら、訴えるぞ。とか言って。地方でもだまされて買っている人いるんだろうな。 

智:神戸は女の子がみんなあの髪型するのが僕はわからない。不自然かな。あそこまでセットしなくてもいいと思う。 

熊谷:俺結構好きだけどね(笑) 

智:ほぼみんなあんな感じだもんね。ナチュラルじゃない。 

熊谷:ナチュラルも飽きたけどね。 

岡沢:ナチュラルでいい県ってどこかな。 

熊谷:東京? 岡沢:それは意図的なナチュラルでしょ。一周したナチュラルっていうか。 

熊谷: ファンデーション塗らないのがナチュラル。すっぴんばっかだからたまには化粧しろって俺は言いたい(笑) 

岡沢:神戸の高架下の通りは好き。1年前位に子供用のスカジャンとか買ったな。おばちゃんとかすごいいい人で。あとMOTORWN OSAKAオープンの時に大阪に行ったね。懐かしいね。5年前。智、連、BAV、千寿くんとコリアン食べに行ったね。 

智:あれがおいしかった。サンゲタンすごいおいしかった。 

岡沢: あの時は千寿君が(MOTORWN)つくって、その後MOTORWN OSAKAが出来て。千寿君の方も変わったし(LOUD SPEX)、MOTORWN OSAKAも店名変更するんだったらいいタイミングかも。 ※8月末、MOTORWN OSAKAはTINY OSAKAへ、TINY MINAMISENBAはSTYLOに生まれ変わります。  

熊谷:GDCでブランド立ち上げて8年。 

智:ノンネイテイブは7年 

熊谷:7年目は何かあるみたいよ。ジンクスみたいよ。気をつけナよ。 

智: 何もないようにがんばります(笑) 

岡沢・・・CLS(Cycle)は5年。智のところが1999からはじめたのがうらやましかったな。Tシャツとかで1999ってロゴで使えるし。あとTNPのグラフィックも当時から好きだったよ。

 [tinyworld] 最後に 

岡沢:大阪や神戸の人達は東京とか意識しないで、とことん自分たちの好きなスタイルでやって欲しいかな。ちょっと前までは東京のいいところを見習った方がいいと思ってたけど、逆に中途半端に取り込まないほうがいいと思う。MOTORWN OSAKA(のお店)で自分の目で抽出したらいい。 

智:僕の場合あんまり東京とか、日本とかそういう意識はなくって、洋服にしろ、ライフスタイルにしろ自分はどっかに憧れる必要もなければ、僕はここだよってアピールする必要も無い。僕の場合は、格好つけすぎない自然な方がいいと思ってて、格好つけるよりもそれ以上にもっと大切なものがあると思ってる。でも洋服は着なくちゃだめだから、その時ちょっとおしゃれして着れる洋服っていうのがうちのブランドコンセプトにもなってる。 

熊谷:人生は12年周期なんで、12年ごとに同じことやるんですよ。だから24歳と36歳の人はおんなじことをやるんですよ。24から36までに新しいことをやった方がいい。24の時にやったことをまた36にやる。24から36の人は色んな洋服を勉強してもいいし、新しいことをしてもいい。またおんなじことの繰り返しなんで36になったらまた見つめなおしてもらったらな。とそれでVENTURAをつくりました。うまいな(笑) 

 2006年5月 東京

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