DELUXE HUE氏 インタビュー | Archives(2006)


常にその時代のストリートを牽引し、絶大な支持を集めるブランドDELUXEのデザイナーHUE氏

◆HUE氏:DELUXEのデザイナー。NewYork、Tokyoなどをバックグラウンドに、常にストリートの最上級品を目指す。

 [tinyworld] ファッション業界に入るきっかけを教えてください。 

HUE: 物心付いた頃から洋服が好きでした。中学の頃はちょうどDCブームが来て、高校に入って音楽関係の洋服に興味を持ち始めて、そこからどんどん掘り下げていきました。東京で育って、クラブとかバー で遊んでいるなかで、ファッション関係の人と知り合う機会が多かったことも大きなきっかけになっていますね。今の会社(DLX)の社長、 渡辺真史が中学生くらいからモデルをやっていて、ファッション関係のコネクションもあったので、23,4歳の頃に洋服屋さんで働くことになりました。でもその頃は自分が洋服畑でやっていくっていうのは決めていなくて、洋服で勝負しようと決めたのは、色んな先輩たちと出会って、26,7歳頃にニューヨークに行った時です。 

 [tinyworld] ターニングポイントやその中での大切な出会いを教えてください。 

HUE: たくさんありますけど、やっぱり小学2年から一緒の渡辺真史が一番大切な出会いです。あと20歳すぎに熊谷隆志くんに出会って、色々な仕事のこなし方を見ていて忙しい人だなあ。とか思ってました。他にも色んな先輩に洋服の着方、例えば靴紐の結び方から裾の折りかえしが何cmとか、そういう細かいこだわりを教えてもらったりすることの積み重ねでスタイルが確立できました。次に大きく影響を与えたのは渡米したことで、服の着方や季節の色使いだったりレイヤーだったり、外国人の感性が日本人と違っていて、この色とこの色を合わせちゃうんだ。とか思ったり。あと向こうのストリートシーンで活躍している人と交流があったりして一時ニューヨーク一辺倒になってたんですけど、日本に帰ってきて東京のファッションと融合することで今が確立されましたね。もちろん流行は10年でサイクルすると言われていて、自分の好きなものも変わって行くんだろうけど、根本にあるアメカジっていうのは揺るがないと思います。 

 [tinyworld] DELUXEのブランドコンセプトを教えてください。 

HUE: たくさんの人種が集まってストリートカルチャーという独自の価値感や尺度を生み出したニューヨークと、世界のストリートカルチャーを雑多にのみこんで発展し続ける東京があって、ルーツになっているニューヨークと、生まれ育った東京へのプライドを基にストリートの最上級品つまり「デラックス」を目指すというのがコンセプトです。あとストリートウェアの持つ機能性とかエッジを意識した服にテイラーメイドといったクオリティの高い服作りとか妥協の無いモノ作りの姿勢を取り入れる「ストリートテイラー」という独自の考えで、着る人それぞれの個性を引き出して、その人にとって価値あるモノになるようなリアルクローズを提案しています。

 [tinyworld] インスパイアされるものは何ですか? 

HUE: 年に2回はニューヨークに行っているので、そこでスミスナイトとかモリッシーナイトというストリート系のイベントに顔を出すだけでも今の音楽や着こなしが見れたりします。アートシーンとかもこちらと全然違うのでギャラリーにはよく足を運びます。もちろん東京の街中を歩いていてもインスパイアをされます。他には洋書やMTVなどのメディア、音楽映画も影響は大きいですね。特に「Warriors」というニューヨークのストリートを舞台にした70年代の映画は好きです。とにかく色んなものをインプットしながらフィルターに通してモノづくりに落とし込むために色んなところにうろちょろ出没してます(笑)

 [tinyworld] ものづくりに対するこだわりはどこにありますか? 

HUE: 最近は特にディテール、サイズ感っていうのはシビアになってきています。これまでアメカジっていうのはバタ臭くて無骨っていう感じだけだったんですけど、そういった無骨さも残しつつも、ラインがきれいに見えるようこだわったりしています。あとエッジ(最先端)の部分も取り入れるようにしていて、例えば今ならニューヨークでも東京でもピストに乗っている人がラットな格好をしていたり、他にもスポーティとかモダン、都会的のように色々枝分かれしていていますけど、僕は汚らしい (笑)ロックっぽいのが好きなので、そういう方向性を取り入れたりと。


 [tinyworld] 好きなスタイルを教えてください。 

HUE: 昔だとストリートストリートしていたんですけど、最近はもうちょっとキレイ目にしたり、キレイ目すぎるとすぐに飽きちゃうんでダメなんですけど、そこをうまく融合させてストリート色に落とし込むのが好きです。 


[tinyworld] 10年後は何をしていますか? 

HUE: 例えばジャケット、MA-1とかをオートクチュールに近いもので、とことんこだわってつくるような職人かな。その一点モノを扱うお店でもいいです。クリエイティブな事はずっとしていたいんで、洋服だけでなく、置物とか、自転車のフレーム、なんでもいいんですけど、魂を込めてモノづくりをし続ける人になりたいです。


 [tinyworld] スタイルをつくるにあたってのアドバイスがあれば教えてください。

 HUE: 若い人は特に情報やスタイルとか色んなことが気になって、移り変わりが激しいと思うんですけど、特に自分が好きなものを軸にしてスタイルを築き上げていけばいいモノができると思いますね。10年たっても20年たっても、「変わんないじゃん」って言われても好きなものを見つけて掘り下げて行くのが大事だと思います。


 [tinyworld] 最後に一言 

HUE: 僕もまだ勉強中なんですけど、DELUXEっていうものをどんどん格好良いものにしていきますので、これからも応援よろしくお願いします。

 [tinyworld] ありがとうございました。

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